概要
VPS時代のセキュリティ戦略
- 現代のセキュリティ戦略の主流
かつては有効だった「IP制限によるブラックリスト方式」は、現在のネット環境では「いたちごっこ」を通り越して、単体では実用的な防御として成立しにくくなっています。
なぜ現在の環境でその手法が通用しなくなっているのか、その理由と現在の主流な対策を解説します。
IPブロックが限界を迎えている理由
- VPSやクラウドによる「IPの使い捨て」
現在はVPSサービスを使うことで、数分単位で新しいインスタンス(仮想サーバー)を立ち上げ、いつでも破棄して再度新しいIPを取得することが可能です。
つまり、アクセスログから怪しいIPを調べ上げ、自分のサイトの.htaccessに1つのIPを書き込んでいる間に、VPSを使うハッカーはすでに短時間で多数のIPを切り替えることが可能になっています。
- プロキシとVPNの普及
そのVPSサービスも、今は安価で高速なVPS・VPN・プロキシなどを組み合わせることで、世界中のIPを瞬時に切り替えながらアクセスできるようになりました。
- 踏み台(ボットネット)の存在
ハッカーは自分のサーバーから直接来るのではなく、ウイルスに感染した世界中のIoT機器や一般家庭のルーター(ボットネット)を利用することも多いです。単純な「IP制限によるブラックリスト方式」では善良な一般ユーザーのIPをブロックしてしまうリスク(過検知)も高まっています。
- メンテナンスコストの増大
「IP制限によるブラックリスト方式」では.htaccessに数千行の拒否リストを書き込む必要があります。これは容易に想像できますが、サーバーがリクエストを処理するたびにその巨大なファイルを読み込むことになり、パフォーマンスを低下させる原因になります。